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過去を変える

book

新年、本屋芸人で紹介されていて気になっていた平野啓一郎さんの「マチネの終わりに」を読んだ。

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 "「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?」"

はじめこのフレーズを読んだ時、すこし理解にくるしんだ。

今を生きることで未来を変えることに目を向けていたけれど、過去も形を変えていく。?

読み進めていくうちに、なるほど、とすんなり心に残る言葉になった。

過去とは確かに存在するけれど、人の思想や意識の中で形を変える、ある意味とても曖昧なものなんだ。

"今"が1秒後には過去になる。

たとえば、交際中の恋人同士においても1秒前の彼女に恋をして、1秒後の彼女に恋をしていない、とゆう状況もあり得る。そのわずかな感情の揺れを忘れたとしても、その恋が終わり、交際していた事実を思い返すことであの時わたしはあの人に恋をしていた、とゆう過去になる。

たとえば、今と未来に向き合うことで、耐え難い過去も自分の良い方向に形を変えていく。

そうゆう新しい考え方をおしえてくれた本でした。

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✴︎"明晰さとは、太陽に最も近い傷だ。 "

✴︎"アポロの隊員が月から眺めた地球の映像をみながら、蒔野は、この広い惑星の上で、陽子に出会うための確率といったようなことを考えた。それは、人為的には決して実現不可能な出来事であり、しかし、その偶然を、まるで必然であるかのように繋ぎ止めておくために、人間には愛という手段が与えられているのではないか。"